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セミナーレポート「特別セミナー
産業団地の新潮流~半導体など重要産業に適したGX・DXを取り入れた持続可能なまちづくりとは~」

産業タイムズセミナー

2026年3月12日(木)に会場+オンラインのハイブリッドで開催された「特別セミナー 産業団地の新潮流~半導体など重要産業に適したGX・DXを取り入れた持続可能なまちづくりとは~」。今回はそのレポートをお届けします。本セミナーでは、3人の登壇者がそれぞれのフィールドの当事者として講演を行いました。

トークテーマは、「産業まちづくりの事業当事者が実行するDX・GXへの取り組み」「企業の脱炭素化やエネルギーの効率化をサポートするコンサルティング企業から見て市場の競争軸がどう変化しつつあるのか」最後に「半導体業界の隆盛が地方経済、日本経済にもたらすインパクト」の3つで構成されました。

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産業まちづくり事業GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)におけるDX、GXの取り組みについて

登壇者

東急不動産株式会社 産業共創事業ユニット インダストリー事業本部
企画営業部 統括部長 
石井 拓也氏

石井 拓也氏

東急不動産の社会課題の解決に向けた取り組みのうち、特筆すべき2つの領域がある。

ひとつは、再生可能エネルギー電源の開発や保有、電力のBtoBの小売りを行う「環境エネルギー事業」だ。原子力発電所約2基分にあたる電源を自社で開発し保有している。

ふたつめは、物流施設やデータセンター、食料事業(植物工場等)を行う「産業不動産開発、産業まちづくり」。行政と一体となりながら準郊外の物流倉庫を中心に、約10年弱で50件超、累計約60万坪の開発を行ってきた。

産業まちづくり事業では、現在、特に産業団地の案件を全国に展開している。東急不動産の産業団地のこだわりとしては、交通インフラの整った(スマート)インターチェンジの至近である、工場需要地のポテンシャルがある、バリューチェーン効果が創出できるという3点。これらの実績とこだわりを落とし込んでブランディングしたのが昨年7月にリリースした「GREEN CROSS PARK(GXP)」だ。GX、DXはもちろん、まちづくりを事業として行ってきた企業として強みを発揮し、単一の企業ではなかなか難しいようなエリア全体のエネルギーマネジメントや街区への自動運転車両の導入なども、当社が音頭をとりながら実装していきたい。

GREEN CROSS PARKでは、現在佐賀県鳥栖市、福岡県粕屋町・志免町、茨城県つくばみらい市、岩手県金ケ崎町、埼玉県白岡市の案件に参入される事業者を募集しているので、ぜひご検討いただきたい。

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GX・DX時代の製造業の現在地と展望― 脱炭素とデジタル化が変える競争軸 ―

登壇者

RAUL株式会社 代表取締役 
江田 健二氏

江田 健二氏

日本政府は2020年10月以降、5年以上かけてGXへの投資に取り組んできた。世界はこれまでの大量生産、大量消費社会から、GX・DXにより循環型社会に移行していく過渡期にある。エネルギーの使い方や産業の仕組みを根本から見直し、経済成長と環境対策を同時に実現していくGXは、現在非常に大きなトレンドとなっており、日本の産業も盛り上がるチャンスだ。

GXによって企業経営にどのような影響があるか。まず一つ目は電力コストの構造変化。再生可能エネルギーは1日の間でも0.01円の時間帯もあれば数十円の時間帯もある。変動は拡大傾向にあるため、いつどうやって電力を仕入れるかによってコストが大きく変わってくる時代になってきた。

2つ目は使う電力によって競争力や企業評価に影響が出る点。具体的には再生可能エネルギーを含めたCO2排出量を抑える電気を使っているかどうかを、取引先や金融機関等から確認されるようになってきている。安くてかつ、循環型社会に貢献するようなエネルギーを積極的に使っているということが企業にとって重要な競争力となるはずだ。

そして、今後、特に製造業にとって重要な要素になるのが、排出権取引が活発になることによるCO2の排出コストだと予測する。シミュレーションの条件によっては、従来通りのCO2排出を行っていると1〜4割程度利益率が下がってしまう計算となった。既定のCO2排出量を超えることによるペナルティの価格を払わなくていい電気を使っているかどうかは、事業の利益を安定させるという点でも非常に大切だ。

企業にとってGXを進める上では、再生可能エネルギーの導入や製造工程の省エネ化など、GXを自社に定着させるための「守り」の戦略と、M&Aやアライアンス・事業領域の再編成など、永続的に事業を成長させるための「攻め」の戦略を両輪で行っていくことがポイントとなる。

脱炭素を進める上ではDXの活用が欠かせない。AIが発達したことによりリアルタイムでのデータ収集から分析まで行い、どう省エネに繋げれば良いかを非常に効率的に導き出せるようになってきた。これにより電力コストの削減だけでなく、問題の発生も予測できるので保守コストも大きく削減できる。また、データを元にした事実ベースで話ができるので、様々なステークホルダーと一緒にコミュニケーションを取りながらGXを進めていくのにも役立つ。 製造業にとっては再エネ比率だけではなく電力が安定的に提供され、将来のCO2も含めた規制やコストまで考えられた場所で事業をやることで自分たちのビジネスを広げていける。どこに拠点を作るかという選択はこれからの企業価値に非常に影響するだろう。 そういう意味でGREEN CROSS PARKは、その一つの選択肢として考えられるはずだ。

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半導体による国づくりの時代がはじまった!~シリコン列島ニッポンに多くの工場誘致が必要~

登壇者

株式会社産業タイムズ社 取締役会長
泉谷 渉氏

泉谷 渉氏

日本政府はこれまでにない規模で半導体投資を支援する「半導体による国づくり」を打ち出している。実際に半導体投資により経済効果が大きいことは熊本県のTSMCの事例が証明している。TSMCがきたことで熊本県には4兆円以上の巨大投資が舞い降りた。また、ソニーも熊本県合志に巨大な新工場を建設したことで、トータルでの熊本県の経済効果は最低でも11兆円あると言われている。九州トップのGDPを持つ福岡県に肉迫する勢いだ。現地に足を運ぶと経済効果を感じる場面は多い。売れない農地が工場に買収されたことで、土地成金が増え地元経済にお金が回るようになった。また、TSMCの食堂のパートの時給は3,000円を越え、大学生のアルバイトでも時給2,000円はザラだ。タクシーの運転手は3年前と比べて売上倍増になっているという。TSMCだけでなく台湾の関連企業や、国内の半導体素材メーカーなど17社も一緒に熊本に進出したことで、インパクトが大きい。物価、賃金、人口、地価、これが半導体の経済効果だ。半導体による国づくりの最大の見本が熊本県にある。

それを見習い、国とラピダスがやろうとしているのが北海道シリコンバレーだ。現在は九州が日本全体の50%の半導体生産シェアを持っているが、このシェアにどこまで迫れるか注目していきたい。

第二次世界大戦後、世界経済を引っ張ってきたのは自動車産業だった。その市場規模は現在400兆円だが、すでに成熟産業であることもあり年間成長率は1%に満たない。一方半導体は2030年に200兆円の市場規模に達する見込み。好不況あったこの30年間でも毎年12%成長し続けてきた。そのうち自動車産業を抜くのは確実と見られており、世界が半導体を中心に動いているのは間違いない。

1990年には日本の持つ半導体の世界シェアは52%あった。そこから負け続けて、今やたったの8%だが、ラピダスが立ち上がったら15%まで回復すると私は考えている。半導体が現在最も必要なテクノロジーはデータセンターのAIサーバー。AIを動かすためにはデータセンターが不可欠であり、データセンターのコストの50%は半導体が占めている。データセンターを建設するIT大手8社の2026年度の投資額は100兆円だが、そのうちの50兆円が半導体に流れ込む計算だ。であるが故に、半導体を国家戦略として注力するのは絶対に必要なのだ。ラピダス、ソニー、キオクシア、ルネサス、デンソーなどの日本企業が起き上がることで、私の試算だと12年後くらいには日本は半導体の世界シェアを35%まで占めるようになる。半導体王国日本の復活だ。

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