産業団地とは、地方自治体や民間事業者が主体となって、複数の産業や企業が集積するよう計画的に開発した区域のことです。
近年、産業団地は、脱炭素社会に向けた持続的な産業集積基盤としての需要が高まり、大きく進化しています。IoT※1 ・AI技術を活用したスマート化、デジタル技術による効率化や自動化、再生可能エネルギーの供給活用など、環境配慮型の新たな価値創出の場として注目されているのです。
本記事では、産業団地の基礎知識から種類・構成要素、企業が活用する具体的なメリット、次世代型産業団地の最新動向、さらに立地選定時の注意点まで、押さえておくべき情報を体系的に解説します。持続可能性を高め、企業の成長を支える次世代型の産業団地と、その活用の全体像を理解し、戦略的な企業立地に役立ててください。
※1 IoT:(Internet of Things)モノのインターネット。設備や製品に通信機能を組み込み、遠隔監視・制御を可能にする技術
産業団地の基礎知識

産業団地への立地が自社の成長戦略に適しているか判断するためには、産業団地の明確な定義や法的位置づけの他、大まかな種類や構成要素を把握する必要があります。まずは、産業団地の公的な定義から、開発主体や用途による分類、基盤インフラや環境施設といった構成要素までを理解していきましょう。
産業団地の定義
産業団地とは、”地方公共団体もしくは民間ディベロッパー等により、製造業や物流業、研究施設等の関連産業を複合的に立地させる目的で、計画的・先行的に用地造成・インフラ整備等を行っている区域(工業団地、業務団地、流通団地、サイエンスパークなども含む)”を指します。
より噛み砕いて定義すれば、「複数の企業の事業所や研究施設が集積することを前提として、自治体やディベロッパーにより開発され、道路や上下水道、電力などの基盤インフラが整備された産業用地」のことです。
なお、産業団地と類似する用語として「工業団地」がありますが、先ほど引用した資料の記載にもあるように、両者はほぼ同義として扱われています。ただし、産業団地の方がより広義な概念であり、製造業を目的とする工業団地に限らず、物流施設(流通団地)や研究開発施設(サイエンスパーク)なども含む、産業集積地を包括的に指す場合が多いです。
法的な位置付けとしては、工場立地法※2 において規制対象となる「特定工場」が満たす義務がある生産施設面積率や緑地面積率などの基準についての特例に「工業団地」が関係してきます。この特例は、工業団地、すなわち産業団地全体の共通緑地を各企業で按分できるもので、企業ごとの規制がある程度緩和されるというものです。
産業団地は元々、特定工場の基準についてあらかじめ満たすように設計されており、企業の法的負担が軽減されるということもあり、法律的にも企業が立地しやすい環境が整えられています。
※ 2 工場立地法 :工場を建てる際の環境配慮(一定の基準以上の緑地・環境施設の確保)を義務づける法律
参考:内閣官房GX実行推進室『GX産業構造実現のためのGX産業立地政策について-第5回GX産業構造実現のためのGX産業立地ワーキンググループ事務局資料-』
産業団地の種類と分類
産業用地は大きく「産業団地」と「産業団地以外の産業用地」に分けられます。
主な違いは、前者が計画的かつ先行的な開発を前提として設計されているのに対し、後者は既存の遊休地や転用地を後から活用するという点があります。また、産業団地は自治体やディベロッパーによる計画的な開発を行い、複数企業の立地を前提としたインフラ整備が行われる点が特徴的です。
データによると、産業団地における平均立地面積は、産業団地以外の産業用地と比較して約1.8倍となっており、より大規模な事業展開が可能な環境が整備されています。
産業団地は計画的・先行的な開発を前提としているため、開発を担当する事業主体によっていくつかの種類に分類することができます。たとえば、地方自治体や土地開発公社が主導する自治体施行、民間企業が開発する民間事業者施行に大きく分けられ、それぞれに開発スピードの違いや強みの違いがあります。近年では自治体の政策に沿いながら民間事業者のスキルやノウハウを活かす、官民連携の流れも多く見られるようになってきています。
参考:経済産業省『自治体担当者のための産業用地整備ガイドブック~全体像と事例から学ぶ~』
また、企業の業種やニーズ、地域特性に応じて、多様な産業団地が開発されています。たとえば、製造業の場合は工場立地を主目的とした構造となっており、物流業の場合は物流倉庫や出荷センターが集積する他、主要幹線道路への導線などが確保されていますし、研究開発機能を集積したサイエンスパークなどの産業産地の場合では、実験施設や公的研究機関の集積がなされています。
近年は、大規模データセンターの集積を目的とした産業団地や、脱炭素化・デジタル化に対応した次世代型産業団地も登場しており、産業団地の形態はますます多様化しています。
産業団地の基本的な構成要素
産業団地は、企業活動を支える多様な構成要素から成り立っています。
最も重要なのが「基盤インフラ」です。これは人間の生活や企業の事業活動に必須となる基本的なインフラを指します。たとえば上下水道、大規模な生産設備の稼働を可能にする高圧電力、製造業において重要な役割を果たす工業用水の整備など。さらに、現代の企業活動に欠かせない強固な情報通信網も整備されていなければなりません。
また、地域環境との調和を図るため、環境施設や緑地も産業団地の主要な構成要素となっています。先ほども紹介した工場立地法によって、特定工場では敷地面積の20%以上を緑地、25%以上を環境施設(緑地を含む)として設置しなければならないという法的な基準が設定されているのです。こうした緑地面積率や環境施設面積率は産業団地全体に適用される点に注意が必要で、企業ごとに共有の緑地や環境施設を按分できる工業団地特例が適用される場合もあります。
共同施設や防災設備も、産業団地の重要な構成要素となっています。たとえば管理棟や福利厚生施設は、入居企業や従業員の利便性を高めます。また、消防・防災体制については、複数企業が共同で対応できる仕組みが整備されることが多く、個別企業では対応が難しい災害リスクへの備えを強化することができます。これらの構成要素が統合的に機能することで、産業団地は企業活動の持続的な基盤となっています。
産業団地の役割は時代を経るごとに大きくなっている
日本の産業立地政策は、1950年代から60年代にかけて「太平洋ベルト」と呼ばれる地域への重化学工業の集中的な立地を経て、1970年代に入ってからは偏った工業地帯の分散化と地域の産業発展を目的として、内陸部や地方各地への分散的な立地が政策的に推進されました。
80年代〜90年代後半以降には、産業団地は地域自立促進の役割も担うようになり、21世紀に入ると業種の制約も徐々に取り払われ、現在では製造業や物流、研究開発を中心とした多様な産業の連携基盤として重要な役割を果たしています。
参考:経済産業省 METI Journal『日本経済を読み解くカギは産業立地の歴史にあり チャンスを生かすには?』
企業が産業団地を活用する主なメリット

産業団地への立地は、企業経営に多面的な価値をもたらします。初期投資の削減から物流効率化、事業継続性の強化、人材確保まで、具体的なメリットは多岐にわたります。ここでは、コスト面、運営面、戦略面それぞれの観点から、産業団地活用がもたらす実務的な利点を解説します。
初期投資の軽減
産業団地の最大のメリットは、「整備済みのインフラを活用できる」ことによる初期投資の軽減です。
企業が一から用地取得や開発をする場合、造成工事からインフラ整備まで含めると通常3年から6年程度のリードタイムを要します。しかし、自治体等が既に開発済みの産業団地への企業立地であれば、道路や上下水道、電力供給設備などが既に整備されているため、このリードタイムを大幅に短縮し、早期の操業開始が可能になります。
地盤調査も事前に行われていることが一般的であるため、地盤改良においてもイレギュラーなコストが発生するリスクが抑えられます。立地判断を行う際に、必要なコストの見通しが立てやすい点でもメリットが大きいでしょう。
さらに、産業団地への立地企業に対する支援制度を活用できる点でも魅力的です。大都市圏への一極集中、地域格差がますます問題となる中、多くの地方自治体で企業誘致を目的とした補助金や税制優遇などの支援制度を用意しています。自治体により対象要件は異なりますが、自治体からの支援制度を活用できれば、初期投資をさらに軽減できる可能性があるのです。
参考:経済産業省『地域の包摂的成長の実現に向けた地域経済産業政策の方向性』
物流効率化とサプライチェーン構築
産業団地の多くは、高速道路のインターチェンジや主要幹線、港湾、空港などへのアクセスが良好な場所に立地しています。
産業団地への企業立地は、こうしたアクセスの良さを活かして仕入れや出荷等の物流を効率化し、物流にかかるコストの削減にもつながることが期待できます。特に製造業は総コストに対する物流費の割合が大きいため、アクセスの良さが経営効率面での優位性に直結するといえるでしょう。
また、産業団地は同業種や関連業種の企業が集積しているため、サプライチェーン構築も容易です。部品や原材料の供給元、製品の納入先が近隣に立地していれば、輸送時間やコストの軽減につながるのはもちろん、ジャストインタイム生産※3 の実現が可能になることで、生産効率化の向上や在庫管理コスト削減にもつながります。
※ 3 ジャストインタイム(JIT)生産 :「必要なものを必要な時に必要なだけ生産する」生産方式のこと
産業団地への立地による物流の効率化・最適化は、いわゆる「2024年問題※4 」などの課題解決への有効な対策の一つとなっています。
※ 4 2024年問題 :人口減少による労働力不足に加え、トラックドライバーの時間外労働規制強化によって深刻な輸送能力の不足が発生する問題
参考:国土交通省『物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題』
防災体制の構築・事業継続性(BCP)の強化
自治体や複数の企業が共同で防災体制を構築できる点も大きなメリットです。
地震や水害などの自然災害発生時、個別企業だけでは対応が難しい状況でも、産業団地全体での連携や地域・自治体との相互協力により、より強固な災害対応力を実現できます。被害状況の相互共有、消防設備や備蓄物資の共同管理・相互融通、避難計画の策定など、企業の枠を超えた地域全体での防災体制は、事業継続性向上に寄与するでしょう。
参考:内閣官房『地域連携による災害対応力強化の手引き(工業団地編)』
さらに、中小企業庁が推進する「事業継続力強化計画認定制度」を活用すれば、防災・減災対策への取り組みを体系的に進めることができます。この制度を使って、現在もしくは将来的に行う災害対策などを申請し認定を受ければ、防災設備に関する税制優遇や低金利融資などの金融支援等も得られます。
産業団地への立地は、こうしたBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)強化の取り組みと組み合わせることで、より効果的な事業継続性の確保につながるでしょう。
人材確保・雇用面での優位性
産業団地は、同産業もしくは類似産業に属する複数の企業が集積する仕組みであることが多く、求職者にとっても働く企業を探しやすい場所です。
都市部のように産業や生活に関連する施設が密集していない地方にとっては、産業団地に複数の企業が集まることで雇用機会が豊富にあるという印象を与えやすいと考えられることから、サプライチェーン構築の枠組みの中で採用活動の効率化にもつながります。産業団地は地域における魅力や認知度も高いため、特に地方の人材確保においては、産業団地というブランドが求人の訴求力を高める効果があるといえるでしょう。
また、地方自治体は、企業誘致の一環として人材確保支援にも力を入れています。職業紹介、人材募集のフォロー、UIJターン促進といったように、自治体により多様な支援策が用意されており、特に自治体が主導して開発する産業団地への立地企業は、これらの支援を受けやすい立場にあると考えられます。地域雇用の創出・地域経済の活性化は自治体にとっても重要な政策目標であることもあって、複数企業が集積する産業団地は、官民連携による地域雇用・人材確保の場としても魅力的なのです。
また、産業団地によっては、自治体の企業誘致政策と連携し、人材の確保と育成に関する支援やフォローアップを実施しているところもあります。企業説明会や面接会などでの人材の確保を担保として企業誘致を実施している自治体も少なくありません。企業誘致の場として魅力的な産業団地は、企業の持続的成長に欠かせない雇用や人材確保を提供する役割も果たしているといえます。
参考:中小企業庁『中小企業白書 第2節 地域経済の持続的発展に向けた自治体による企業誘致の取組』
次世代型産業団地の特徴と最新動向

世界的に脱炭素化とデジタル化の需要が高まる中、産業団地も新たな段階へと進化してきています。従来の産業集積基盤としてだけではなく、エネルギーインフラをはじめとする環境配慮とデジタル技術による効率化を統合し、地域との共生を重視した、次世代型の産業団地が注目を集めているのです。ここでは、環境配慮型産業団地の台頭をはじめ、スマート化の推進や地域共生型モデルといった、産業団地の最新動向と今後の展望を解説します。
環境配慮型(グリーン・エコ)産業団地の台頭
諸外国においては近年、環境に配慮したグリーン産業団地やエコ産業団地と呼ばれる環境配慮型団地の開発が進んでいます。韓国の沿岸部にある「セマングム・スマートグリーン産業団地」ではEV・再エネ関連企業が多く進出しており、タイでも国や産業の発展に伴い環境への配慮を重視した産業団地を、国をあげて推進しています。
参考:JETRO(日本貿易振興機構)『RE100の工業団地を目指して-セマングム・スマートグリーン産業団地の取り組み-(韓国)』
参考:304工業団地『タイはグリーン産業団地を積極的に推進:投資家はどのように調整し、対応すべきか』
日本においても、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、今後ますます産業団地における環境配慮の取り組みが加速していくことが見込まれます。地域全体での再生可能エネルギーの共同利用や、エネルギー効率の高い施設設計など、環境負荷の低減を重視した産業団地開発が増えていくでしょう。企業にとって環境配慮型産業団地への立地はESG評価※5 向上にもつながるため、継続的な需要の高まりが見込まれます。
※5 ESG評価:従来の財務を中心とした投資評価に加えて「E(環境)」「S(社会)」「G(カバナンス」の3点を企業評価基準に加えること
政府は、GX(グリーントランスフォーメーション)戦略の一環として、産業立地政策における脱炭素化を推進しています。内閣官房GX実行推進室が設置した専門家会議「GX産業立地ワーキンググループ」では、カーボンニュートラル実現に向けた産業団地の役割や支援策について議論が進められており、今後、環境配慮型産業団地の開発がさらに促進されると見込まれています。
参考:内閣官房『GX産業構造実現のためのGX産業立地政策について』
IoT・AI技術活用による産業団地のスマート化
デジタル技術を活用した、産業団地のスマート化も進んでいます。IoTやAIを活用した効率的なエネルギーマネジメントシステムの導入により、電力使用量の最適化や再生可能エネルギーの効率的な活用が可能になります。
特に地方の産業団地では、太陽光発電や風力発電設備などの再生可能エネルギー供給施設導入の敷地的な余裕があることや、工場の稼働に際する大規模なエネルギー消費が見込まれることから、エネルギーシステムのスマート化を進めています。複数企業でエネルギー需給を調整することで、全体としてのエネルギー効率を高めることができるという利点もあります。
物流や在庫管理面においても、デジタル技術の活用によるスマート化が進んでいます。流通団地内・倉庫内・施設内のロボティクスの導入(自動配送など)による省人化・効率化に加え、統合管制システムを利用し企業間で物流情報を共有することで、輸送効率向上やCO2排出量の削減が実現するなどの展望が考えられます。IoTセンサーや在庫管理システムとの連携により、サプライチェーン全体の可視化と最適化も進められています。
通信インフラの強化も進められており、今後ますます進化していくでしょう。5Gなどの高速通信網を基盤とすることで、リアルタイムでのデータ収集・分析や設備の遠隔制御が可能になり、スマートファクトリー化を進めることができます。
デジタル技術を活用したスマート化と、産業団地を組み合わせることは、生産性向上やコスト削減だけでなく、地域全体レベルでのデータドリブンな社会の実現、新たなビジネスモデルの創出、働き方改革によるウェルビーイング社会の実現にもつながる可能性を秘めているのです。
次世代に期待される「地域共生型の産業団地」
最新の動向や各地の取り組みの展望を見ると、これからの次世代型産業団地では、地域コミュニティとの共生・連携が大きく期待されていることがわかります。
産業団地は、地域の雇用創出や地域経済の活性化などの効果が知られていますが、単に経済面での貢献だけでなく、地域社会との積極的なつながり、地域課題の解決への参画など、地域社会に根ざす産業団地モデルが求められています。
産業団地の役割は産業の推進や企業の成長に留まらず、企業の社会的責任(CSR)やESG経営の実践の場として拡大しているのです。また、地域との良好な関係構築によって、安定的な人材確保や企業イメージの向上にもつながります。
環境省が掲げる「地域循環共生圏」の考え方をベースに、産業団地が地域の資源やエネルギーを活用し、地域に還元する仕組みづくりも進められています。たとえば、地域で生産された再生可能エネルギーを産業団地で利用し、産業団地で発生する廃熱を地域の施設で活用するなど、循環型の関係構築を模索中です。
「持続可能なまちづくり」においても、産業団地は重要な構成要素となります。先述した防災・減災体制の構築における地域と産業団地の連携など、地域と産業団地の結びつきによる強く安定した基盤づくりがますます進んでいくでしょう。ゆくゆくは実利的な側面だけでなく、地域全体の活力を生み出す基盤としても期待されています。
参考:環境省『地域循環共生圏』
参考:国土交通省『持続可能なまちづくり』
産業団地活用における注意点・検討すべきポイント

産業団地への立地は企業にとって多くのメリットをもたらしますが、活用に際しては慎重な検討も必要です。ポイントを抑えた適切な立地選定、コスト構造の把握、法規制や制約条件の確認など、事前に押さえるべき注意点がいくつかあります。
立地選定の重要ポイント
立地選定においては、産業団地の交通アクセスの状況をしっかりと調査・評価することが最も重要なポイントです。
物流ネットワークへの接続性はもちろん、市場や顧客へのアクセスの優位性を検証・評価し、事業展開に適した場所を慎重に検討する必要があります。周辺人口や通勤利便性も、安定的な人材確保において重要な視点です。また、地域のハザードマップで洪水や土砂災害等のリスクを確認し、BCP(事業継続計画)の観点から安全性を評価することも求められます。
また、特に大規模データセンターの設置を行う場合には、地盤の安定性と工業用水の豊富さ、通信インフラの地中化や冗長性の確保などが非常に重要になります。電力インフラの充実度や拡張性についても確認が必要です。用地の余裕についても、将来的な事業拡張の可能性を見据えた場合には考慮すべきポイントでしょう。
参考:日本立地センター『2025年度新規事業所立地計画に関する動向調査』
参考:内閣官房GX実行推進室『GX産業構造実現のためのGX産業立地政策について-第5回GX産業構造実現のためのGX産業立地ワーキンググループ事務局資料』
コスト構造と継続費用の把握
産業団地への立地に際しては、初期投資だけでなく、運営コストの長期的な試算が重要です。共益費や管理費などの継続費用を含めた総コストを把握し、事業計画に反映させる必要があります。税制優遇措置については、適用期限や条件を確認し、優遇期間終了後のコスト増加も想定しておくべきです。賃貸と購入どちらにするかについても、事業の性質や資金計画に応じて適切な選択をすることが求められます。
法規制・制約条件の確認事項
産業団地への立地に際しては、工場立地法の基準(生産施設面積率、緑地面積率、環境施設面積率)への適合を事前に確認する必要があります。また、用途地域(工業専用地域、工業地域、準工業地域など)により、立地可能な業種や建築制限が異なる点も要注意です。
持続的安定的な稼働に際して、どのような規制や制約があるかについても地域により異なるため、慎重に検討をする必要があるでしょう。たとえば環境規制(騒音、振動、排水、大気汚染など)や建築制限(高さ制限、建蔽率、容積率)を事前に確認し、事業計画との整合性を確保することも重要です。操業時間の制約があるか、将来の改築・増築時の手続きについても事前に把握しておく必要があります。
持続可能な企業成長を支える産業団地を活用しよう

産業団地は、計画的に設計された産業集積と次世代型のインフラ整備によって、企業に多様な価値をもたらします。初期投資コストや物流コストの削減、共同防災体制による事業継続性の強化、人材確保の優位性など、経営上のメリットは多岐にわたります。産業団地の生み出す価値やメリットは、企業の競争力強化と持続的成長を支える重要な基盤となるでしょう。
環境配慮型のグリーン産業団地や、IoT・AIを活用したスマート化など、産業団地は脱炭素社会実現に向けた進化を着実に続けています。地域との共生や地産地消による循環型の産業団地など、次世代型の開発も各所で進められています。
次世代型の産業団地開発は、企業だけでなく地域単位のGXやDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しし、クリーンエネルギーの地域全体での循環・活用にもつながります。時代に併せて進化する産業団地を戦略的に活用することによって、持続可能な産業基盤となっていくだけでなく、地域活性化の拠点としても機能するでしょう。産業団地は、新たな地方創生へ向けたホットスポットになるポテンシャルを秘めているのです。
GREEN CROSS PARKについて

東急不動産が展開する産業まちづくりプロジェクト「GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)」は、産業団地が持つ集積効果を最大化する次世代型産業団地です。
従来の産業団地のメリット(初期投資の軽減、物流効率化、BCP強化、人材確保)に加え、まち全体に先進的なDX基盤とGX対応の環境整備を構想しています。高速通信や自動運転技術の先行整備により企業間連携や業務効率化を実現し、再生可能エネルギーの活用やカーボンニュートラルに向けた取り組みを通じて、持続可能な産業活動を支援します。
DX・GX時代に対応した競争力の高い事業展開を、ここに集う産業に可能にします。