物流現場の業務効率化、コスト削減等を検討する際に、「物流DX(Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション)」という言葉に出会う方は多いのではないでしょうか。今回は、物流DXとは何か、物流DXで実現できること、導入のステップ、失敗・成功パターンなど、物流DXの基礎情報について解説します。単にシステムを導入して終わりではなく、経営サイドから現場まで全社的に巻き込んで、ステップを踏んで行うべき取り組みであることを理解しましょう。
物流DXとは

国土交通省によると、物流DXとは「機械化やデジタル化を通じて経験やスキルの有無だけには頼らない簡素で滑らかな物流を実現し、輸送情報やコストなどを見える化し物流を効率化、物流システムの規格化によって収益力・競争力の向上を図る等、これまでの物流のあり方を変革する取り組み」のことです。
参考:国土交通省『総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)』
IT・IoT・AIなどのデジタル技術を活用し、業務・プロセス全体を高度化する取り組みであると同時に、物流の既存業務を単にデジタル化するだけでなく、データドリブン※1 で意思決定の精度を高める変革が求められます。物流の仕組み全体をDXによって改善することが物流DXであるため、単なるシステム導入にとどまらずに、既存の物流業務を根本的に変えていく取り組みを行う必要があります。
※1 データドリブン:経験や勘だけに頼らず、データ分析の結果をもとに意思決定や業務改善を行う考え方。
なぜ今、物流DXが求められているのか

2024年問題やコロナ禍以降拡大したEC需要、脱炭素の流れなど、物流DXが求められるようになった背景を解説します。
2024年問題・人手不足の深刻化
国内の物流業界では「2024年問題」が深刻です。2024年問題とは労働基準法等の改正でトラックドライバーの時間外労働に上限が設けられたことによる、ドライバー不足や労働力の減少等のこと。2024年問題により、輸送能力の低下・配送遅延リスクの増大・コスト上昇などが発生しており、物流DXによる自動化・スマート化が急務です。
EC拡大・小口多頻度化による現場負荷増大
ECの急速な拡大に伴い、物流で扱う荷物量は増加しています。従来の大口配送中心のモデルも、小口・頻度配送中心のモデルへと変化しています。これにより、現場では荷役・仕分け・配送計画などが複雑化し、従来以上の人的リソース・作業効率が求められるようになりました。物流DXによるリアルタイムでのデータ可視化や自動化システムの導入が、業務負荷軽減と品質維持のために不可欠です。
脱炭素
物流業界では輸送効率化によるCO2削減が重要なテーマとなっています。物流DXを行うことで、輸配送ルートの最適化や積載効率の向上による燃料使用量削減などが可能になります。政府もGX※2 政策において、サプライチェーン全体の脱炭素化を重視しており、物流プロセスのデジタル化・最適化はこの政策にも沿っています。
※2 GX:グリーントランスフォーメーションの略。温室効果ガスの排出削減(脱炭素)と、経済成長・産業競争力の強化を同時に実現するための社会・産業構造の変革を指す概念
物流DXで実現できること

物流DXを行うことで、これまで人力で行っていたことによるリソースの消費を抑えられ、精度や再現性が高まり、意思決定にも良い影響があります。どのようなことが実現できるのでしょうか。
可視化(在庫・輸送・作業進捗の見える化)
商品やデータのリアルタイムな可視化をし、在庫状況・輸配送状況・作業進捗を迅速に把握できるようにすることが物流DXの目的の一つです。リアルタイムに物流情報を共有することで、ムリ・ムラ・ムダを減らし、サプライチェーン全体の透明性も高まります。
可視化により、倉庫・輸送の在庫量や滞留状況のリアルタイムな把握や遅延・リスクの早期発見、さらに問題発生時の迅速な意思決定も可能となります。
自動化、省人化(作業・配車・帳票)
手作業や紙ベース、アナログ対応は、作業時間とコストの増大につながっています。物流DXでは、自動倉庫・ロボット・無人搬送車などによる倉庫作業の自動化、配車の最適化、帳票処理のデジタル化・自動化を進めます。これにより、労働力不足への対応と働き方改革を同時に実行することができます。
標準化、属人化解消
物流DXによって、属人的な業務進行によるバラツキを解消し、業務プロセスの標準化を支援します。サプライチェーンの中でも複数企業・複数拠点間で業務を円滑に連携させる基盤づくりが求められており、物流を構成するデータや伝票・作業手順などの共通標準化が進んでいます。標準化が進むと、誰が担当しても同じ品質で作業が遂行されるようになり、他社・他拠点とのスムーズなデータ連携、誤操作や情報ロスの削減も期待できます。
データ活用による最適化、意思決定高度化
物流DXでは、単なるデジタル化ではなく、データを活用した最適な物流戦略の策定と高度な意思決定ができることを目指しています。データ分析・AI・需給予測などを通じて、需要予測に基づく最適な在庫配置や輸配送ルートのリアルタイム最適化、作業計画の自動生成、KPI※3 を根拠とした改善サイクルなどが可能になります。
※3 KPI:Key Performance Indicatorの略。「重要業績評価指標」の訳で、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)達成に向けたプロセス(過程)の進捗状況を定量的に測定・評価する指標
物流DXで解決できる具体的な課題

物流DXを実行することで、現場と経営サイドが抱えていた課題を解決できます。どのような課題が解決できるか紹介します。
在庫過多、欠品の繰り返し
物流DXによって可視化とデータ分析を行い、在庫のリアルタイム状況が把握できれば、適正在庫の分析・調整が実現し、欠品や過剰在庫の繰り返しを防止できます。
配送遅延、再配達増加
物流DXによって配送状況がリアルタイムに可視化され、自動ルート最適化や臨機応変な配車計画が可能になります。配送品質が向上し、再配達の削減やサービス満足度の向上に寄与します。
倉庫作業の非効率、人手依存
倉庫内作業においてはピッキング・仕分け・棚卸など人手中心の作業が多いため、作業のムラや属人性が高くなりがちです。これを、バーコード/RFID※4 ・自動倉庫・ロボット・システム連携などで標準化・自動化します。
※4 RFID:Radio Frequency Identificationの略。電波を使ってICタグ(RFタグ)に記録された情報を非接触で読み書きする技術
KPIが曖昧で改善効果が測れない
従来の物流では、作業量や時間の評価が曖昧になりやすく、改善効果の定量評価が困難でした。物流DXによって、出荷リードタイム、誤出荷率、在庫回転率などのKPI測定が可能になりました。PDCAサイクルが回しやすくなり、継続的な改善を促進できます。
物流DXの導入6ステップ

物流DXの導入は、段階的に行う必要があります。6ステップを解説します。
1.現状業務の可視化・課題整理
まず現状業務の全体像を可視化することから始めます。国土交通省も、物流DXや標準化によるサプライチェーン全体の最適化のために、情報・コスト等を「見える化」し、作業プロセスやオペレーション全体を把握することを前提としています。
参考:国土交通省『総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)』
具体的には、以下のような項目を洗い出し、可視化と課題整理を行います。
・入出庫、棚卸、配送といった業務プロセス
・作業時間、待機時間、配送時間
・作業にかかる人件費や運用コスト
可視化においては、現場に蓄積された紙・口頭・個人管理といったアナログな情報も集めることが大切です。
2.DXの目的を明確にする
DXの導入目的を明確にすることは、効果を測定しPDCAサイクルを回すうえで不可欠です。目的の例には以下のようなものがあります。
・作業コストの削減
・省人化し人員不足による負荷軽減
・遅延・欠品の減少など品質向上
3.KPI設定
目的を決めたら、KPIを設定し数字を元に改善計画を立てる体制をつくります。「出荷リードタイム」「誤出荷率」「積載率」などの数字データを追跡し、KPIと照らし合わせることで、改善点が明確になります。
4.ツール選定
物流DXを実行するにあたり、目的に応じたツール選定を行います。一般的なものとしては以下の2つがあります。
・WMS(Warehouse Management System):在庫・入出庫・棚卸・作業進捗管理を行う倉庫管理システム
・TMS(Transport Management System):配車計画・ルート最適化・運行実績管理を行う輸配送管理システム
これらを組み合わせ、現場課題に対応していきます。
注意点として、ツール選定時には既存システムとのAPI連携※5 可否やデータフォーマット互換性を確認しましょう。DX化は既存システムとの連携がスムーズでないと、データの断絶や二重管理が発生します。
※5 API連携:異なるシステムやサービスがデータや機能をお互いにやり取りし、連携・統合する仕組み
5.PoC(実証実験)
PoC(実証)は、実際の現場条件でツールの有効性を検証するフェーズです。一部の拠点や業務での試験導入から始めて、その結果を踏まえ導入範囲の拡大・ツール改善を検討しましょう。
6.全体展開、定着化
物流DXによってデータ基盤が整った後は、継続的に改善サイクルを回す体制を構築します。例えば、KPIの数値を定期的にレビューし、その結果を基に改善施策を適用するなどのデータ活用を継続し、DX効果を最大化できます。
実装後は、従業員教育・運用ルールの整備を継続して行います。行政の物流DX政策でも、「物流DXの本質は業務プロセスの改善」と示しており、オペレーションを変えるための組織的取り組みが重要です。
参考:国土交通省『総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)』
残念ながら、「ツール導入後の定着化が進まず、元の非効率的プロセスに戻ってしまう」企業も多く見られます。物流DXの取り組みを全社的に定着させるためには、下記のような運用上の仕組みづくりが重要です。
・DXプロジェクトの責任者配置
・現場リーダーの巻き込み
・定量的な評価指標による進捗管理
物流DXを支えるツール・システム

物流DXを実行するにあたって、導入すべき代表的なツール・システムを紹介します。導入にあたっては、現場と協調しながら仕様の決定、教育を行いましょう。
WMS(倉庫管理システム)
WMS(Warehouse Management System)は、倉庫内の物流業務をデジタル化・自動化する基幹システムです。商品の入荷・出庫・棚卸・在庫数量や保管場所の管理を一元化し、リアルタイムで正確な在庫状況を把握できるようにします。WMSにより、在庫の過不足・滞留を防ぎ、倉庫オペレーションの精度を大幅に高めることができ、物流DXの取り組みで重要な「リアルタイム可視化」と「標準化」の基盤となります。
リアルタイム可視化にあたっては、WMSとバーコードやRFIDなどの自動認識技術を連携することで、人的ミスを抑えてリアルタイムでデータを取得できます。特にRFIDタグを使うと、検品や棚卸在庫の位置・数量情報を非接触で迅速に収集でき、作業効率が向上します。
このようにWMSの導入で、データ状況把握が容易になることで、作業手順やKPIに基づいた標準化が進み、属人化の解消や品質の安定化が期待できます。
TMS(輸配送管理システム)
TMS(Transport Management System)は、物流センターから出荷された後の配車計画やルート最適化・運行管理を行うシステムです。トラック配車の最適化や運行効率化を実現し、燃料費・人件費・輸送時間の削減につながります。また、運賃計算・コスト分析・配送実績の可視化にも役立ちます。
TMSの導入によって、どの配送がコスト効率的であるか、どこに非効率があるかなどの分析が可能になり、戦略的な輸配送計画が立てやすくなります。物流業界が直面する人手不足や2024年問題に対しても、TMSの活用はドライバーの負担を軽減し、作業の自動化や省人化を実現する手段となります。
OMS(受注管理システム)
OMS(Order Management System)は、複数チャネルからの受注データを統合・一元管理するツールです。重複やミスを防ぎ、在庫・出荷の予測精度を高めます。複数拠点・多チャネルの物流を効率化するうえで不可欠です。
SCM、需給計画システム
SCM(Supply Chain Management)システム※6 や需給計画システムは、物流だけでなく製造・販売を含めた需給バランスの最適化と全体最適に寄与します。物流DXの本質である「サプライチェーン全体の最適化」は、この連携を前提とします。SCMが有効に機能することで、企業は需給変動への対応力を高められます。
※6 SCM(Supply Chain Management)システム:原材料の調達から製造、物流、販売、顧客への提供までの一連の流れ(サプライチェーン)全体を統合的に管理・最適化するシステム
IoT、センサー(温度・位置情報)
温度・湿度・振動・位置情報など、IoT技術を活用したセンサーからリアルタイムデータを収集することで、貨物の状態管理や輸送履歴のトレーサビリティを強化できます。
ロボティクス、自動倉庫、無人搬送車
倉庫内作業の効率化・省人化を進める上で、ロボティクス(ロボット技術)、自動倉庫、無人搬送車などの機械化・自動化ツールも重要です。
物流DXの定量的な効果

物流DXを行うことで数字に現れる定量的な効果があります。どのような効果があるのか解説します。
作業時間削減率
作業時間削減率は、物流現場でのピッキング・荷役・検品・待機などの時間を、DX前後で比較できる指標です。作業時間の短縮は労働力不足・拘束時間の短縮に寄与します。
人員削減、省人化効果
人員削減や省人化効果は、IT導入や自動化・ロボット化により必要な労働力がどれだけ減ったかを示す指標です。国交省も「荷待ち時間等を削減する目的でシステム導入等の支援を継続する」と言及しており、DXによる人手依存からの脱却・稼働時間の改善は政策的にも求められています。
参考:国土交通省『総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)』
在庫回転率、欠品率
在庫回転率は在庫がどれだけ効率的に循環しているかを示す指標です。欠品率は、需要と供給のミスマッチを表します。物流DXを進めることで、これらの在庫関連指標が改善します。
輸送コスト削減率
輸送コスト削減率とは、輸送時間・燃料費・運賃などを含めた総コストが、DX導入前と比較してどれだけ低減したかを示す指標です。データ分析を行いルート最適化・積載効率の改善により燃料使用や非稼働時間が減り、輸送コスト削減率も良化します。
物流DXの定性的な効果

物流DXには数字には現れにくい定性的な効果もあります。どのような効果があるのか解説します。
属人化解消・教育コスト削減
物流DXにより業務プロセスが標準化・可視化されると、担当者に依存した属人化スキルや暗黙知が減少し、ノウハウの共有や教育負担の軽減につながります。
現場と管理部門の連携強化
現場の状況と管理部門の意思決定がリアルタイムに連携することで、現場の実態に即した経営判断や改善策の策定が容易になり、組織全体としての生産性・柔軟性が向上します。現場と管理部門の隔たりがなくなります。
働き方改革、採用力向上
物流DXによりシステム化が進み作業効率の改善や働きやすい環境が整備されることで、採用競争力の向上にもつながる効果が期待されます。
物流DXの業界別導入事例

一言に物流DXといっても、製造業、EC・小売、物流事業者では、具体的なアクションや効果が異なります。業界別に事例を紹介します。
製造業の物流DX事例
物流DXではリアルタイムな在庫情報や物流データを製造計画と連動させ、生産と物流を一体化する仕組みが導入されています。具体例としては、ITプラットフォームを活用し、工場内の生産・出荷予定と倉庫在庫の情報を一元化することで、必要な在庫量を適正化し余剰在庫や物流遅延を削減する取組が挙げられます。
従来の製造現場では、生産スケジュールと物流の在庫管理が分断して運用されていたため過剰在庫や欠品につながるリスクがありましたが、物流DXによってこれらが解消されます。
さらに、物流DXによるリアルタイムデータの可視化や分析により、需要変動への迅速な対応や、仕入れ・出荷のタイミング最適化も可能です。経営計画と物流運用をデータで結びつけ、より戦略的な動きが可能になります。
EC・小売業の物流DX事例
EC業界では、出荷作業を効率化するために自動仕分け機や自動搬送車の導入など、自動化設備の普及が進んでいます。これにより、作業時間の短縮や人的ミスの低減が可能になるだけでなく、ピーク時の処理能力を大幅に向上させることができます。
また、EC業界では多品種・小口配送が一般的であり、従来の人力によるピッキング方法では処理速度が追いつきません。そこで、ハンディターミナルやピッキング案内システム、ロボティクスの導入によってピッキング効率を高める例が見られます。
さらに、ECのリアルタイム受注データをWMSやTMSと連携させることで、リードタイムの短縮や在庫最適化につながる改善が進められています。
※7 ハンディターミナル:バーコードや2次元コードなどを読み取り、データを収集・処理・送信できる携帯型の業務用端末。在庫管理やピッキングに使われる。
物流事業者のDX事例
物流事業者では、異なる荷主データを共通プラットフォーム上で統合・分析し、共通基盤で管理する取り組みが進んでいます。これにより、運用の透明性と効率化が向上し、物流事業者が提供するサービスの品質も上がっています。
さらに、単なる「運ぶ」機能だけでなく、リアルタイム追跡情報の提供やデータ分析結果を荷主に提供することで、付加価値サービスとしての物流情報提供も進めています。荷主企業は自社のサプライチェーン全体の可視化を容易に行えるようになります。
物流DXのよくある失敗パターン

物流DXには失敗パターンが明確にあります。よくある4つの失敗パターンについて解説します。
システム導入が目的化してしまう
物流DXは、単なるデジタル技術の導入や機械化にとどまらず、物流の業務プロセス・ビジネスモデル自体を変革することが重要です。しかし、現実にはシステムを入れることそのものが目的になってしまうケースが見受けられます。
現場が使いこなせない
物流現場では、従来の紙伝票、棚番管理、手作業の慣行が根強く、デジタル化を後回しにしてきたケースが多くあります。そのため、現場スタッフが新しいツールの操作や仕組みに不慣れだったり、なぜ変えなければならないのかの意義共有が不十分だと、導入後に現場が新システムを拒絶したりいつの間にか従来のやり方に戻るという事態になりがちです。現場においては「これまでなんとかなっていた」「効率性や透明性はともかく、デジタル技術業務がなくても業務自体は成立する」という状況が多いため、デジタル導入の必要性を現場が感じにくいという側面があります。
全体最適ではなく部分最適に終わる
倉庫管理だけデジタル化した、配送計画だけを最適化したといったように、物流の一部のプロセスだけが改善され、全体の流れとしては改善につながらず部分最適に終わるケースがあります。これでは、全体の効率やコスト削減には結び付きません。
ITベンダー等の外部の専門家に丸投げしてしまう
物流DXの導入では、ITベンダーに丸投げしてしまい、企業側の業務理解や目標設定が曖昧になる失敗パターンがよくあります。
物流DXを成功させるための3つのポイント

上記のような失敗パターンに陥るのを防ぐために、ポイントを押さえて物流DXに取り組みましょう。3つのポイントがあります。
現場巻き込み型DX
現場を巻き込むことで、
・システム導入後の「使われない」リスクを回避
・現場の業務フローを改善する知見を確保
・現場オペレーションの細かな課題を洗い出し改善につなげる
といった効果が出やすくなります。経営、管理サイドから押し付けるのではなく、あくまで現場のスタッフが当事者として物流DXに取り組む立て付けが欠かせません。
KPIベースの改善サイクル
出荷リードタイム、誤出荷率、欠品率、積載率、輸送コスト、作業時間、人員効率など、数値として確認できる指標をKPIとして設定・定量評価し、定期的に改善サイクルを回すことが重要です。
KPIベースの改善サイクルを実行することで、結果が数値化されるため経営層の理解・支援を得やすくなります。また、現場と経営の目標を一致させやすい、施策のリソース配分の優先順位が明確になるというメリットもあります。
社内の責任者・体制を明確にする
ITベンダーに丸投げしたことで、社内の業務理解が低くなったり、目標に対してのアクションが徹底されなかったということを防ぐために、
・社内にDX推進の責任者と体制を設ける
・経営戦略と現場の業務戦略を一致させる
・ITベンダーとの仕様や評価指標の共通理解を持つ
以上のようなアクションを行いましょう。
物流DXは段階的に進めることが成功の鍵

物流DXはシステムやツールを導入して終わりというものではなく、既存の物流業務を根本的に変えていく取り組みです。そのため、物流DXを実行するにあたっては、現状の把握や課題分析、ツール選定、現場の声を聞き教育するという多くのステップが必要になります。一気にインフラだけ整えても、使われないシステムであれば意味がありませんし、物流DXは達成できません。物流DXは段階的に進めることが成功の鍵です。
GREEN CROSS PARKのDX

東急不動産が推進する産業まちづくりプロジェクト「GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)」は、エリア全体に先進的なDX基盤を実装することを前提とした次世代型の産業団地構想です。高速・大容量通信インフラの整備や自動運転技術の先行導入などを通じて、立地企業の事業高度化や新たな産業創出を支援。多様な産業が集積・連携することで、持続的な価値創造を生み出す産業拠点の形成を目指しています。