Scope3(スコープ3)とは?サプライチェーンのGHG排出量の算定方法や15のカテゴリ、注意点を解説

Scope3(スコープ3)とは?サプライチェーンのGHG排出量の算定方法や15のカテゴリ、注意点を解説

Scope3(スコープ3)とは、企業のサプライチェーン全体で発生する温室効果ガス(GHG)排出量を示す指標です。

カーボンニュートラルやGX(グリーントランスフォーメーション)への対応が重要な経営課題となっている昨今、多くの企業が直面する問題が、温室効果ガスの排出削減です。企業が排出する温室効果ガスのさらなる削減を目指すためには、Scope1※1 、Scope2※2 とともにこのScope3の排出量を算定し、組織のサプライチェーン上の活動に伴う排出量の全体像を把握することが必要です。

今回は、Scope3の概要や算定方法、15のカテゴリ、注意点などをわかりやすく解説します。

※1 Scope1:自社が直接的に排出する温室効果ガス。

※2 Scope2:自社が使用するエネルギーを作る電力会社などが排出する間接的な温室効果ガス。

Scope3(スコープ3)とは?Scope1、2以外で排出される温室効果ガス

Scope3(スコープ3)とは?Scope1、2以外で排出される温室効果ガス

Scope3(スコープ3)とは、自社の事業活動に関連して排出される温室効果ガス(GHG)のうち、Scope1(直接排出)とScope2(間接排出)以外で排出される温室効果ガスを指します。

例えば、原材料の調達や輸送時に他社が排出するものや、部品製造の際に他社で排出するもの、自社製品の利用によって消費者が排出するもの、廃棄やリサイクルに伴って他社が排出するものなどがScope3に該当します。Scope1、2に加え、Scope3の排出量を算定することで、組織のサプライチェーン上の活動に伴う温室効果ガスの排出量(サプライチェーン排出量)を把握できます。

サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量
Scope1
事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
例:工場の煙突やガスコンロ、社用車などから排出されるもの
Scope2
他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
例:電力会社の電力や空調などで利用する熱・蒸気などの購入によって間接的に排出されるもの
Scope3
Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
例:原材料を仕入れた企業や自社製品を利用する消費者によって間接的に排出されるもの

この区分は、温室効果ガスの排出量を算定・報告するための国際的な基準を定めたGHGプロトコル(Greenhouse Gas Protocol)によって定義されています。

Scope3は、GHGプロトコルにおいて上流・下流に分かれた15のカテゴリに分類されています。Scope3を算定することで、原料調達から製造、販売、廃棄、出張、通勤などの企業活動全体で排出される温室効果ガスの量を管理でき、企業はさらなる温室効果ガスの排出削減を目指すことが可能となります。

Scope3の15のカテゴリ

Scope3の15のカテゴリ

我が国のScope3では、サプライチェーンの上流と下流で排出される温室効果ガスを15のカテゴリとその他(任意)に分類しています。その他(任意)は環境省・経済産業省の基本ガイドライン独自のカテゴリですが、それ以外はGHGプロトコルのScope3基準と整合しています。

なお、対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)です。

各カテゴリの内容は以下の通りです。

Scope3区分該当する排出活動(例)
1購入した製品・サービス原材料・部品、容器・包装等が製造されるまでの活動に伴う排出
例:原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達
2資本財自社の資本財の建設・製造に伴う排出
例:生産設備の増設(複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上)
3Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー活動調達している燃料の上流工程(採掘、精製等)
調達している電力の上流工程(発電に使用する燃料の採掘、精製等)
4輸送、配送(上流)①報告対象年度に購入した製品・サービスのサプライヤーから自社への物流 
(輸送、荷役、保管)に伴う排出
②報告対象年度に購入した①以外の物流サービス(輸送、荷役、保管)に伴う排出
 (自社が費用負担している物流に伴う排出)
5事業から出る廃棄物自社で発生した廃棄物の輸送(※①)、処理に伴う排出
6出張従業員の出張に伴う排出
7雇用者の通勤従業員が通勤する際の移動に伴う排出
8リース資産(上流)自社が賃借しているリース資産の操業に伴う排出(算定・報告・公表制度では、Scope1、2に計上するため、該当なしのケースが大半)
9輸送、配送(下流)自社が販売した製品の最終消費者までの物流
(輸送、荷役、保管、販売)に伴う排出
(自社が費用負担していないものに限る)
10販売した製品の加工事業者による中間製品の加工に伴う排出
11販売した製品の使用使用者(消費者・事業者)による製品の使用に伴う排出
12販売した製品の廃棄使用者(消費者・事業者)による製品の廃棄時の処理に伴う排出(※②)
13リース資産(下流)自社が賃貸事業者として所有し、他者に賃貸しているリース資産の運用に伴う排出
14フランチャイズ自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1、2に該当する活動
15投資株式投資、債券投資、プロジェクトファイナンスなどの運用
その他(任意)従業員や消費者の日常生活に伴う排出等

※① Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を任意算定対象としています。
※② Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を算定対象外としていますが、算定しても構いません。

参考:環境省『サプライチェーン排出量算定の考え方』

Scope3排出量の把握が求められる理由

Scope3排出量の把握が求められる理由

Scope3排出量の把握が求められる主な理由は以下の3つです。

  • 自社以外が排出する温室効果ガスの量が大きいから
  • 企業の環境経営指標や機関投資家の質問項目として使用されているから
  • 2050年カーボンニュートラル達成に欠かせない取り組みだから

それぞれを解説します。

①自社以外が排出する温室効果ガスの量が大きいから

多くの企業活動では、Scope1とScope2の合計よりも、自社以外のScope3の排出量の方が大きくなる傾向があります。サプライチェーンが巨大になりがちな大企業ほどこの傾向は強く、Scope3排出量が環境に与える影響や負荷も大きくなります。

つまり、Scope3の排出量を算定しなければ、サプライチェーン全体で排出される温室効果ガスが環境にどの程度の影響を与えているのかを捉えることができず、自社の事業活動で排出される温室効果ガスの量を大幅に減らすことも難しくなります。

そのため、Scope1、2とともにScope3排出量の把握が必要となるのです。

②企業の環境経営指標や機関投資家の質問項目として使用されているから

②企業の環境経営指標や機関投資家の質問項目として使用されているから

企業の環境経営指標を評価する日経サステナブル総合調査や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの機関投資家がESG(環境・社会・ガバナンス)投資先の評価指標などに利用しているCDP3 などでは、Scope1・2のみならずScope3を含めた排出量開示や削減目標の有無が重要な評価項目となっています。

このため、Scope3も含めたサプライチェーン排出量を把握していない企業では、顧客や取引先、投資家といったステークホルダーからの評価が低下したり、情報開示上の不備を指摘されたりするリスクが高まります。

こうした理由から、Scope1、2だけでなく、サプライチェーン全体が環境に与える影響を把握するためにScope3の排出量も把握する必要があるのです。

※3 CDP:投資家向けに企業の環境情報の提供を行うことを目的とした国際的なNGO。気候変動等に関わる事業リスクについて、企業がどのように対応しているか、質問書形式で調査し、評価したうえで公表するもの。

③2050年カーボンニュートラル達成に欠かせない取り組みだから

我が国では、2015年のCOP21※4 で採択されたパリ協定において、2030年までに温室効果ガスの排出を2013年度比-46%(さらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく)まで削減することを目標に掲げています。

また、パリ協定に基づく長期戦略として2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすること)の達成を目標としています。

こうした目標を達成するためには、国内で排出される温室効果ガスの多くを占める企業の努力が欠かせません。そのため、Scope1、2だけでなく、Scope3排出量を把握し、サプライチェーン全体で温室効果ガス削減の取り組みを進める必要があります。

※4 COP21:第21回気候変動枠組条約の締約国会議

サプライチェーン排出量を算定するメリット

サプライチェーン排出量を算定するメリット

Scope3も含めたサプライチェーン排出量を算定することの主なメリットには以下の6つがあります。

  1. 削減対象を特定できる
  2. 他事業者との連携による削減ができる
  3. 機関投資家等の質問に対応できる
  4. 環境経営指標に活用できる
  5. 削減貢献量の評価ができる
  6. CSR情報の開示ができる

それぞれを解説します。

①削減対象を特定できる

自社のサプライチェーン排出量の全体像(排出総量、排出源ごとの排出割合)を把握し、

サプライチェーン上で優先的に削減すべき対象を特定できます。

ある飲料メーカーの事例では、サプライチェーン排出量を算定した結果、使用容器や梱包方法に関わる排出割合が大きいことを特定でき、削減可能性があることも分かりました。そこで容器の軽量化や梱包のコンパクト化などの対策を実施。その結果、排出量削減だけでなくコスト削減にもつながりました。

参考:環境省『サプライチェーン排出量算定の考え方』

②他事業者との連携による削減ができる

②他事業者との連携による削減ができる

排出量算定のための情報交換がきっかけとなり、サプライチェーン上の他事業者と連携した削減策を共同で考案して取り組むことができます。

取引先企業からサプライチェーン排出量の調査票が届いたことにより、取引先にサプライチェーン排出量削減のニーズが分かったケースでは、調査票回答とあわせて自社技術の活用や自社との連携による排出削減策を提案。これが取引先企業から好意的に受け入れられ、取引先との連携深化につながりました。

参考:環境省『サプライチェーン排出量算定の考え方』

③機関投資家等の質問に対応できる

機関投資家や環境格付機関による質問票にサプライチェーン排出量に関する質問が増えてきています。適切に回答し、自社の環境経営の取組を発信することで、自社の評価を高めることができます。

特に近年はESG投資への関心の高まりから、CDPやSBT※5、GRIスタンダード※6 などの国際的なイニシアチブへの報告にサプライチェーン排出量のデータを活用することは、自社への投資や融資等の資金調達に有利に働く可能性があります。

※5 SBT:パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のこと。

※6 GRI(Global Reporting Initiative):企業が環境・社会・ガバナンスに関する情報を開示するための国際的な報告基準を策定する非営利組織。

④環境経営指標に活用できる

④環境経営指標に活用できる

自社のサプライチェーン排出量の経年変化を把握して削減対策の進捗状況を確認できるため、環境経営指標として活用できます。自社の削減対策の効果や各部門の取り組み状況、Scope3カテゴリ別の削減量を定量的に評価することで、カーボンニュートラル等の目標達成に向けてPDCAを回し続けることができるようになります。

⑤削減貢献量の評価ができる

削減貢献量の参考指標としてサプライチェーン排出量を活用することができます。削減貢献量とは、排出削減効果の高い製品やサービスをサプライチェーンに提供することで、従来と比較して削減できた温室効果ガスの排出量のことです。

排出削減効果の高い製品やサービスを多くの企業に提供する場合、製造や物流への負荷が増えることで自社の温室効果ガス排出量が増えてしまう可能性があります。一方で、これらの製品やサービスが普及することで、サプライチェーン全体では温室効果ガスを大幅に削減できる場合があります。

こうした間接的な貢献度を示すためには、サプライチェーン排出量を算定するとともに、自社の削減貢献量を明確にすることが大切です。その結果、取引先や消費者に自社の排出量削減効果を客観的にアピールできるようになります。

⑥CSR情報の開示ができる

⑥CSR情報の開示ができる

CSR(企業の社会的責任)情報開示の一環として、サプライチェーン排出量をCSR報告書、WEBサイトなどに掲載し、自社の環境活動への理解を深めてもらうことができます。

サプライチェーン排出量の把握・管理は、顧客や取引先などのステークホルダーに対する社会的信頼性向上に繋がります。近年のSDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりから、気候変動対策や環境対策に配慮した企業活動を行うことは、自社の製品やサービスを顧客や取引先に選んでもらうための重要な指標の1つとなっています。

Scope3排出量も含めたサプライチェーン排出量の削減に積極的に取り組むことで、企業の中長期的な成長も期待できると考えられます。

サプライチェーン排出量の算定方法

サプライチェーン排出量の算定方法

基本的な算定手順

Scope3排出量が把握できれば、Scope1とScope2の排出量と合計することで、サプライチェーン排出量を算定することができます。Scope3の排出量を算定するためには、下記の基本式を15カテゴリごとに計算し合計します。

Scope3排出量の基本式活動量×排出原単位

活動量とは?

事業者の活動の規模に関する量。例えば電気の使用量、貨物の輸送量、廃棄物の処理量、各種取引金額などが該当します。社内の各種データや、文献データ、業界平均データ、製品の設計値等から収集します。

活動量の例

  • 電気の使用量
  • 貨物の輸送量
  • 廃棄物の処理量

排出原単位とは?

活動量あたりのCO2排出量。例えば、電気1kWh使用あたりのCO2排出量、貨物の輸送量1トンキロあたりのCO2排出量、廃棄物の焼却1tあたりのCO2排出量などが該当します。基本的には既存のデータベースから選択して使用しますが、排出量を直接計測する方法や取引先から排出量の算定結果の提供を受ける方法もあります。

排出原単位の例

  • 電気1kWh使用あたりのCO2排出量
  • 貨物の輸送量1トンキロあたりのCO2排出量
  • 廃棄物の焼却1tあたりのCO2排出量

基本式に代入する活動量と排出原単位の特定には、環境省のガイドラインやデータベースを活用することができます。これらの資料は、環境省・経済産業省が運営するWEBサイト「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」に掲載されています。

サプライチェーン排出量算定の4つのSTEP

サプライチェーン排出量算定の4つのSTEP

サプライチェーン排出量の算定に当たっては、継続的な排出量の管理や透明性の高い情報開示の観点から体系的に算定を進めることが重要です。算定の大まかなSTEPは以下の通りです。

  1. STEP1 算定目的の設定
  2. STEP2 算定対象範囲の確認
  3. STEP3 Scope3活動の各カテゴリへの分類
  4. STEP4 各カテゴリの算定

STEP1 算定目的の設定

サプライチェーン排出量の算定においては、可能な限り算定精度・算定範囲を高めることが望ましいです。しかし、算定精度を高めると算定の労力・コストの増大も懸念されます。そのため、算定目的を明確に設定し、目的に応じた算定精度・算定範囲を意識することが大切です

算定目的の例
  • サプライチェーン排出量の全体像把握
  • 削減対象の詳細評価
  • 削減対策の経年評価
  • ステークホルダーへの情報開示
  • 多様な事業者による連携取組の推進
  • 削減貢献量のPR

STEP2 算定対象範囲の確認

算定対象とする範囲は、原則として以下の通りとなります。

区分算定対象に含める範囲(原則)
温室効果ガスエネルギー起源CO2、非エネルギー起源CO2、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)
※算定・報告・公表制度における温室効果ガスの種類と同じ
組織的範囲自社自社及びグループ会社のすべての部門、すべての事業所(Scope1、2に含む範囲)
上流Scope3カテゴリ1~8に該当する事業者
下流Scope3カテゴリ9~15に該当する事業者
地理的範囲国内及び海外
活動の種類サプライチェーンにおいて、温室効果ガスの排出に関するすべての活動
時間的範囲1年間の事業活動に係るサプライチェーン排出
※自社の活動からの排出量については、算定対象とした時期に実際に排出した排出量ですが、サプライチェーンの上流や下流の排出量の排出時期は、自社の活動から温室効果ガスが排出される年度とは異なる場合があります。

組織的範囲について

算定・報告・公表制度はグループ単位ではなく個社を自社の範囲として対応しますが、サプライチェーン排出量ではグループ単位を自社の範囲として対応する必要があります。特に、グループ内企業との取引がある場合は注意が必要です。

例えば調達物輸送の場合、多くの場合はScope3カテゴリ4の「輸送・配送(上流)」に該当しますが、グループ内の輸送会社が輸送している場合はScope1、2に該当する可能性があります。このように、サプライチェーン上の各活動が、Scope1、2か、Scope3かを意識しながら、カテゴリに分類していく必要があります。

時間的範囲について

自社の活動からの排出量(Scope1、2)については、算定対象とした報告年度に実際に燃料消費などで排出した排出量が該当します。一方、Scope3排出量(サプライチェーンの上流や下流の排出量)の排出時期は、算定対象とした報告年度とは異なる場合があります。

例えば、原材料の製造等に関しては、報告年度ではなく過去に製造されている場合が想定されます。また、製品の使用や廃棄に関する排出については、将来の排出量を推計することになります。

STEP3 Scope3活動の各カテゴリへの分類

算定対象範囲を確認した後は、Scope3活動をカテゴリ1~15に分類していきます。詳細なカテゴリ内容は基本ガイドライン第2部をご参照ください。

参考:環境省・経済産業省『サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン』

STEP4 各カテゴリの算定

算定目的が達成できるレベルを考慮しながら、各カテゴリについて算定方針の決定、データの収集、排出量の算定を実施します。データ収集項目とデータ収集先の整理例は以下の通りです。

カテゴリ該当する活動算定方法データ収集項目データ収集先
1原材料の調達調達物ごとの年間調達量から算定調達物ごとの調達量各種調達データ
2生産設備の増設年間設備投資金額をもとに算定年間設備投資金額有価証券報告書
3エネルギー関連活動年間での各種エネルギー使用量をもとに算定年間のエネルギー種別ごとの使用量Scope1、2算定用データ
41.調達物流2.出荷輸送(自社が荷主となる委託物流)1.調達先及び納入場所の住所から輸送距離を見積もり、算定
2.省エネ法(※①)の特定荷主定期報告書の出荷輸送部分を利用
1.調達重量及び調達先の住所
2.省エネ法の特定荷主定期報告書における出荷輸送分
1.各種調達データ(調達先の住所及び調達重量)
2.省エネ法の特定荷主定期報告書
5外部委託の廃棄物処理廃棄物処理委託量から算定廃棄物種別ごと処理方法ごとの処理委託量 環境報告書用の集計値(廃掃法(※②)のマニュフェスト等)
6従業員の出張出張旅費金額から算定交通手段別の出張旅費金額経理データ
7従業員の通勤通勤費支給金額から算定通勤手段別の通勤費支給額経理データ
8自社が賃借しているリース資産の稼働既にScope1、2に計上済みのため、該当 なし
9出荷輸送(自社が荷主となる輸送以降)出荷先の住所からシナリオを設定し算定出荷重量及び出荷先の住所出荷先データ(出荷先の住所および出荷重量)
10事業者による中間製品の加工加工シナリオを設定して算定販売した製品の加工方法製品設計データ(加工)
11使用者による製品の使用実測値もしくは使用シナリオを設定して算定実測値、仕様値、カタログ値、製品カテゴリの平均値、等製品使用データ(使用)
12使用者による製品の廃棄処理1.実測値もしくはシナリオを設定して算定
2.容器リサイクル法の報告値を利用
1.実測値、仕様値、カタログ値、製品カテゴリの平均値、等
2.容器リサイクル法の再商品化義務量
1.製品設計データ(分解)
2.容器リサイクル法における再商品化義務量
13他者に賃貸しているリース資産の稼働実測値もしくは使用シナリオを設定して算定実測値、仕様値、カタログ値、製品カテゴリの平均値、等リース資産所管部署
14自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1、2の排出量フランチャイズ加盟店のScope1、2を算定フランチャイズ加盟店のScope1、2フランチャイズ加盟店
151.株式投資、債券投資
2.プロジェクトファイナンス
1.投資先の年間Scope1、2排出量のうち、投資持分比率を算定
2.プロジェクトの生涯稼働時排出を報告対象年に計上
1.投資先のScope1、2排出量
2.投資持分比
経理データ(有価証券報告書等)
その他(任意)従業員や消費者の日常生活サンプル世帯の環境家計簿からの排出量から推計サンプル世帯の環境家計簿からの排出量サンプル世帯の環境家計簿

※① 省エネ法:エネルギーの使用の合理化等に関する法律
※② 廃掃法:廃棄物の処理及び清掃に関する法律

なお、データ収集が難しい場合は、一般に公開されている業界平均データや類似の活動からの代用データ、カテゴリ内の活動の代表的サンプルから得たデータを外挿するサンプリング法等を用いて算定することもできます。

また、排出量が小さくサプライチェーン排出量全体に与える影響が小さいものや算定に必要なデータ収集が困難なもの、算定目的から見て不要なものなどは、算定対象範囲から除外することも可能です。

より詳細な算定方法については、以下をご参照ください。

参考:環境省・経済産業省『グリーン・バリューチェーンプラットフォーム』

Scope3およびサプライチェーン排出量算定の注意点

Scope3およびサプライチェーン排出量算定の注意点

Scope3およびサプライチェーン排出量算定の主な注意点は以下の3つです。

  • サプライチェーン排出量の合計は国全体の排出量にはならない
  • Scope3の上流・下流の判断は製品の流れではなくお金の流れで行う
  • 算定目的を設定し、段階的に進めていく

それぞれを解説します。

①サプライチェーン排出量の合計は国全体の排出量にはならない

サプライチェーン排出量は、同じ排出源が複数の企業で重複して計上されることがあります。そのため、企業ごとのサプライチェーン排出量を合計しても、国全体の排出量にはなりません。

サプライチェーン排出量は、各企業が自社の関与する排出を把握し、削減に活用するための指標となります。

②Scope3の上流・下流の判断は製品の流れではなくお金の流れで行う

②Scope3の上流・下流の判断は製品の流れではなくお金の流れで行う

Scope3では、製品の流れではなく「お金の流れ」を基準に上流・下流を区分します。購入した製品・サービスに関する活動は上流、販売した製品・サービスに関する活動は下流に分類されます。

原料調達・製造・物流・販売・廃棄に限った製品のLCA(ライフサイクルアセスメント)という視点で上流・下流を区分するのではなく、お金の流れで判断することが大切です。そうすることで生産設備の増設や従業員の出張や通勤、リース資産、投資なども含めた企業活動全体を管理でき、組織のLCAをより正しく評価できるためです。

③算定目的を設定し、段階的に進めていく

サプライチェーン排出量の算定は、まず目的を明確にすることが重要です。目的に応じて、必要な算定範囲や精度が変わっていくためです。また、最初から高い精度を目指すのではなく、可能な範囲から着手し、算定方法やデータ収集体制の確立を進めていくことも大切です。

段階的に範囲や精度を高めていくことで着実に目的に近づくことができ、余計なコストや手間を減らすことができるためです。

まとめ Scope3(スコープ3)について

まとめ Scope3(スコープ3)について

今回は、Scope3(スコープ3)について解説しました。

Scope3は、Scope1(直接排出)、Scope2(間接排出)以外で排出される温室効果ガスを指します。Scope1とScope2の排出量に、Scope3の排出量を加えることで、サプライチェーン排出量を算定することができます。

サプライチェーン排出量を算定することで、自社がサプライチェーンの上流から下流に至るまでの組織のライフサイクルアセスメント(LCA)を把握することができ、温室効果ガス排出の現状把握やさらなる削減に向けた取り組みが可能となります。

Scope3も含めたサプライチェーン排出量を把握したり、削減量をアピールしたりすることで、顧客や取引先、投資家などのステークホルダーからの評価向上も期待できます。Scope3の把握と削減活動は、国際的なイニシアチブであるGHGプロトコルの基準に適合した環境対策を実施することになりますので、CDPやSBT、GRIスタンダードなどの報告にも活用できます。

まずはサプライチェーン排出量の算定目的を明確にし、算定範囲の設定と15のカテゴリの分類から始めてみてはいかがでしょうか?

より具体的な手順や算定方法は、以下の資料でご確認いただけます。

参考:環境省・経済産業省『サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン』

参考:環境省・経済産業省『グリーン・バリューチェーンプラットフォーム』

GREEN CROSS PARKのGX

GREEN CROSS PARKのGX

東急不動産の「GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)」は、企業活動と環境配慮を両立させる産業まちづくり事業です。再生可能エネルギーの活用やカーボンマネジメントにより、サプライチェーン排出量の把握や削減にも貢献します。

脱炭素社会への移行をエリア全体で実践し、GX(グリーントランスフォーメーション)の加速を支援する未来志向の産業団地として進化を続けています。

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