GXで進化するスマートファクトリー ー脱炭素とDXが拓くものづくりの未来 ~環境対応と効率化を両立する製造業の新潮流~

主催:東洋経済新報社
協賛:東急不動産

脱炭素社会に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)推進のための再生エネルギー拡大、急速に発展するAI、人口減による働き手不足―社会・技術環境の変化に伴い、工場や倉庫などの産業立地を取り巻く条件は変わってきた。本セミナーは、次世代型産業団地「GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)」、自動運転トラックによる幹線輸送、ITで都市課題を解決するスマートシティなどの先進的な取り組みを通じ、GX/DX(デジタルトランスフォーメーション)による未来の産業基盤のあり方を探った。

制作/東洋経済企画広告制作チーム

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基調講演|産業界と自治体が連携して行う新たな価値づくり

~官民学連携による産業振興の潮流と持続可能性な地域社会づくりの両立~

藤井 篤之 氏

アクセンチュア
ビジネスコンサルティング本部
ストラテジーグループ
マネジング・ディレクター
藤井 篤之 氏 

日本は対内投資が停滞し、工場立地が伸び悩んでいる。地政学リスクの増大や、ドルベース平均賃金の相対的な低下を受け、日本企業の国内回帰の動きもあるが、人手不足や割高なエネルギーが足かせになっている。アクセンチュアの藤井篤之氏は「効率化、省エネ化された産業創出を、自治体のまちづくりとも絡めて推進することが重要」と語った。

実際アクセンチュアでも、自律的で効率的なスマート工場やスマート物流をAIやセンサーなどの技術を用いて実現している。また、自治体が抱える課題を、デジタル技術を活用して解決するスマートシティ事業にも取り組んでいる。福島・会津若松市のスマートシティ事業にも関与する藤井氏は「事業推進にはデジタル技術の活用に加え、官民の連携や、人材の確保が重要」と訴える。

同市が抱える課題の1つに高付加価値産業の創出がある。市内にあるコンピュータ理工学専門の公立単科大学・会津大学は、1学年定員240人と小規模ながら、英・教育専門誌の世界大学ランキングでも高く評価され、県外からも優秀な学生を集める。だが、従来地元には魅力的な就職先が少なく、大半の卒業生は県外に流出していた。そこで、同事業では、産官学のデータ連携プラットフォームを構築。データを使って、DXの取り組みを進めたい大手企業を中心に約100社が参画するコンソーシアムを設立し、高付加価値産業の創出を目指すとともに雇用も生み出している。

1つの企業だけで、社会課題の解決と事業性を持続可能な形で両立させるのは難しい。「人・自治体・企業などの間で信頼関係を醸成して共助の仕組みを築く必要がある。また、参加する民間企業がビジネスメリットを感じられるよう、会津若松市のみで閉じず、成功モデルを他地域に展開する官民での取り組みが必要」と官民連携の大切さを強調した。

協賛講演|産業まちづくり事業「GREEN CROSS PARK」におけるDX/GXの取組みについて

石井 拓也氏

東急不動産
インフラ・インダストリー事業ユニット
インダストリー事業本部 開発企画部
基幹産業拠点推進室 室長
石井 拓也氏

東急不動産の産業まちづくり事業「GREEN CROSS PARK(グリーンクロスパーク)」は「GX・DX・まちづくり」をコンセプトに掲げる。同社の石井拓也氏は「人と産業が共に成長する『住みたくなる産業団地』を目指す」と語る。

GREEN CROSS PARKは、産業団地・工業団地を意味するインダストリアルパークをベースに、グリーン(環境)と多様な交流・交差、革新性を意味するクロスを掛け合わせて名付けた。そこでは、脱炭素、産業インフラの老朽化、といった社会課題に対する東急不動産のソリューションが示されている。再生可能エネルギー電源の自社開発を進め、立地企業に供給し、脱炭素を支援。その発電能力は2030年に4ギガワットに達する予定だ。また、物流施設、データセンターなどの産業不動産を産業団地内に建設する予定。加えて、ドライバーが乗らない自動運転トラックの幹線輸送サービスに取り組むT2と提携。神奈川・横浜市上瀬谷、京都・城陽市など高速道路インターチェンジ近くに拠点を確保し、自動運転による物流ネットワークの構築を進めている。

九州の主要高速道路が交差する交通の要衝、佐賀・鳥栖市に設ける物流・産業団地複合開発プロジェクト「(仮称)サザン鳥栖クロスパーク」では、再エネ100%のエネルギーマネジメントを実施予定。インターチェンジと街区の間の一般道も含めた無人自動運転走行を目指す。また、地域課題の耕作放棄農地の再生と物流施設開発を組み合わせた埼玉・白岡市のほか、茨城・つくばみらい市、岩手・金ケ崎町でも次世代型の産業団地のプロジェクトを進めている。「優良な産業団地を供給するとともに、幅広く不動産事業領域をカバーするグループの力を結集し、働く場、暮らしの場としての価値や魅力を向上させたい」と語った。

パネルディスカッション|GX/DX時代における地域産業拠点の再構築

~デジタル技術の活用と物流ネットワークの視点から~

パネルディスカッション

パネリスト

國年 賢氏

T2
事業開発本部
本部長
國年 賢氏

石井 拓也氏

東急不動産
インフラ・インダストリー事業ユニット
インダストリー事業本部 開発企画部
基幹産業拠点推進室 室長
石井 拓也氏

藤井 篤之 氏

アクセンチュア
ビジネスコンサルティング本部
ストラテジーグループ
マネジング・ディレクター
藤井 篤之 氏 

ファシリテーター

エコアナウンサー®
櫻田 彩子氏

パネルディスカッションでは2人の講演者に、自動運転トラックサービスを提供するT2の國年賢氏を加え、エコアナウンサー®の櫻田彩子氏の司会で、日本の産業の未来に向けた取り組みを語り合った。

ドライバー不足に伴う物流危機を解決するため、特定の条件下で無人走行する「レベル4」自動運転トラックによる幹線輸送サービスの実現を目指すT2は、25年から運送会社などをユーザーに、まずは、ドライバーが乗車してハンドルから手を放した状態で運転する「レベル2」自動運転トラックによる商用運行を開始した。27年度には関東―関西間でレベル4のサービスを開始、32年に2000台の運行を目標にしている。國年氏は「一般道の無人走行はまだ課題があり、高速道路から実現していく。それには、インターチェンジ近くで、有人運転(一般道)と無人運転(高速道路)を切り替えるためにドライバーがトラックに乗降する『切替拠点』が必要になる」と説明。自社で整備する神奈川・綾瀬市などの切替拠点に加え、東急不動産の神奈川・横浜市上瀬谷、京都・城陽市などの物流施設も活用し、九州延伸も見据えた自動運転物流ネットワーク構築を進める。

T2は単なる自動運転実現にとどまらず、サプライチェーンの最適化を目指している。その中で、10%程度のCO2排出削減につながるとされる幹線輸送の自動運転化に加え、石油業界と連携したカーボンニュートラル燃料の利用も推進し、CO2削減効果の上積みも図る。「サプライチェーンの最適化は自動運転だけではなせない。様々な企業との連携、役割分担が重要になってくる」(國年氏)。

アクセンチュアの藤井氏は「サプライチェーンを変えるには商流も変える必要がある」と指摘。福島・会津若松市のスマートシティ事業から生まれた、農産物などのマッチングプラットフォーム「ジモノミッケ!®」の事例を紹介。他地域同様、同市内で生産された農産物の多くは、県外の中央卸売市場に出荷される。この結果、市内の飲食店では、地元野菜をわざわざ県外から仕入れざるをえなかった。「デジタルを使って市内で需給マッチングができれば、県外を経由する物流のムダを減らすことができる」(藤井氏)。

東急不動産の石井氏は、トラックの自動運転化、工場自動化のオペレーションには、今までとは異なるスキルを持った人材の確保が新たな課題になると考える。「(仮称)サザン鳥栖クロスパーク」では、スキル人材の確保に向けた人材会社との検討も進めていて「産官学連携による人材育成も重要になる」と提起した。また、人が集まる産業団地周辺の住宅需要についてもグループ会社含めて対応するとして、産業まちづくりにおける人の大切さを強調した。

2026年1月5日『週刊東洋経済』に掲載された広告企画

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セミナーレポート「九州企業立地セミナー&交流会 in 福岡 ~政策と市場が交わる、九州GX産業立地の最前線~」

2025年11月18日(火)に会場+オンラインのハイブリッドで開催された「九州企業立地セミナー&交流会 in 福岡 ~政策と市場が交わる、九州GX産業立地の最前線~」。今回はそのレポートをお届けします。本セミナーでは、行政・学術・金融・不動産の各分野のステークホルダーにより、地方の産業動向や地方企業を後押しする国の政策の現状が解説され、さらにGHG開示義務とGX産業立地に対して企業がどのように向き合うべきか議論するトークセッションが行われました。

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「未来を見据えてともに挑戦する」

登壇者

佐賀県知事 山口 祥義氏

山口 祥義氏

佐賀県の強みはまず立地の良さである。アジアが開かれてきているなかで東京よりも上海が近いという立地。また、県東部は高速道路と鉄道のクロスポイント。さらには自然災害についても、地震の発生回数が少なく、南海トラフの津波想定もゼロなどBCP対策の最適地。
近年、各分野の世界的企業が佐賀に進出しており、生産の拠点化を進めていただいている。佐賀県は工業高校の割合が日本一であり、人材の面でも皆様のお役に立てる。また、子育てし大県“さが”ということで、男性従業員の育児休業の奨励金を設けたり、企業やCSOの誘致も盛ん。
大学との連携の中で再生可能エネルギーに関する様々な研究開発を行っており、環境問題への取り組みとして波戸岬に海洋プラスチックについて学び、体験し、交流する施設「世界海洋プラスチックプランニングセンター(愛称:PLA PLA(プラプラ)」を来年の6月にオープンする予定だ。
佐賀県庁では全ての政策の基軸に「さがデザイン」という視点を通し、クリエイターと協働しながらコンセプトを議論し事業を決めているのが特徴。県民の満足度や付加価値の高い事業を今後も継続して行っていく。

「鳥栖市の産業動向とサザン鳥栖クロスパークの紹介」

登壇者

鳥栖市長 向門 慶人氏

向門 慶人氏

鳥栖市は鉄道や高速道路が交差する九州陸路交通の要衝だ。九州各地へのアクセスが便利なのはもちろん、貨物専用の鳥栖貨物ターミナル駅、福岡空港や佐賀空港、博多港にも近いため、全国各地やアジア方面への輸送、輸出入面でも優位性がある。交通の要衝という強みを活かし、昭和29年の市制施行以来、積極的に企業誘致に取り組んできた。市内には七つの産業団地を有しており、現在全て完売。新たな産業団地として佐賀県と連携しサザン鳥栖クロスパーク開発事業を進めている。経済産業省の地域未来投資促進法を活用し、官民連携型のスピード感を持った開発を行い、若年層の雇用や市の人口増加につながる経済波及効果の高い企業を誘致したいと考えている。令和12年度の立地企業の操業開始を目指す。

特別講演「国内産業立地の最新動向とGX成長戦略」

登壇者

経済産業政策局 地方創生担当政策統括調整官 宮本 岩男氏

宮本 岩男氏

物価高が叫ばれる中、賃上げできる環境を作っていくことが重要だが、賃上げには原資が必要だ。将来の収入を生み出し競争力を上げていくような成長投資をして、その結果収益が上がり賃金も上がるというサイクルをしっかり回さなければいけない。世界的な情勢を見るとトランプ政権による関税障壁、さらにロシア=ウクライナ戦争のようなリスクが増大しており、重要な産業は国内に保有しなくてはいけないという考えも出てきた。経団連では国内投資規模を2040年までに年間200兆円まで上げていこうという動きがある。

石破政権下で行われてきた地方創生を、高市政権下では地域未来戦略として引き継いでいく。例えば熊本県のTSMC、北海道のラピダスのような誘致事例を全国各地につくり、投資を誘発し経済効果を生み出すということが言及された。また、地域で経済的に大きな存在感を示している中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じるというキーワードも示されている。データを見ると中堅企業は設備投資や売上高の増加に関する伸び率が大企業よりも大きい傾向がある。地域の雇用、地域の経済を支えるという意味で、存在意義がある中堅企業を支援する施策を打つため、国では予算を確保していく方針。

産業用地を支援できるような仕組みを作っていこうという調整も関係省庁と始めている。世界的にグリーン電源へのニーズが高まっているので、その領域に進出したいという企業も増えており、政府としても温暖化対策を推進する観点から支援上乗せの取り組みを開始した。

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トークセッション「GHG開示義務とGX産業立地戦略」

トークセッション

登壇者

福岡銀行 ソリューション営業部
サステナビリティ推進グループ 部長代理
神園 龍一 氏

九州大学 都市研究センター
准教授
キーリー アレクサンダー 竜太 氏

シービーアールイー株式会社 アドバイザリーサービス|リーシング 執行役員
マネージングディレクター
田口 淳一 氏

東急不動産株式会社 インフラ・インダストリー事業ユニット 環境エネルギー事業本部
環境エネルギー事業第一部 統括部長
畠山 洋平氏

トークセッションではまず神園氏よりグローバル市場で環境面に関するリスクが非常に重視されるようになった傾向が解説され、脱炭素社会の実現に向け金融機関が行政、企業のハブとなり、三位一体で推進していくという方向性が示された。企業に対してはサステナブルスケールインデックスというツールを用い、ESGに関する対話を標準化して進めていく。

神園龍一氏 トークセッション

次にキーリー氏より、サプライチェーン全体のGHGはもとより、人権面、環境面等を含めた情報開示義務、デューデリジェンスが求められているという世界的な大きな潮流についての解説がされた。AIツールにより従来推計が難しかった人権リスク、環境リスク、生物多様性リスク等が解析できるようになったのも追い風だ。また、TCFDの開示のガイドラインに沿った開示をしている企業は、他の企業よりも株主資本コストが大幅に下がっているというデータも示された。

キーリー アレクサンダー 竜太 氏

これらの前提を元に、地元の企業の中でGHGがどの程度話題になっているか、広大なサプライチェーン全体のCO2排出量をどうモニタリングしていくか、企業がGHGに取り組みを開始すべき時期、グローバル規制に適合した産業団地をどう創っていくか、産業団地に中堅企業が入るメリット等に関して活発な議論がなされた。

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